こんにちは、わいじろーです。
元MSW・老健相談員・包括経験者の、いわば“フルコンプ相談員”として、今日は少し辛口なテーマでいきます。
福祉業界にいると一度は聞いたことがあるこのフレーズ。
「今月、満床になるように頼むよ」
……ああ、またか。
もうその“満床教”みたいな呪文、耳タコなんですけど。
■ 満床にすれば万事OK? そんなわけあるか
確かに、施設でも病院でも「満床=売上が立つ」という発想は分かります。
でも、現場で「人を入れれば入れるほど疲弊する」って構造、分かってますか?
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退院調整がぐちゃぐちゃ
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医療情報が降りてこない
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家族対応は丸投げ
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入院予定の患者と施設側の条件が全く合ってない
それを全部、相談員が調整して成り立たせてるのに、
「なんで今月ベッド空いてんの?」「営業してる?」って平然と言ってのける無神経さよ。
もうね、相談員が一番疲弊するのは、「調整ができない現実」と「現場を知らない上司のプレッシャー」の板挟みなんですよ。
■ 相談員を“営業マン”扱いするなら、せめて営業の本質を学べ
営業って、ただ「紹介ください」って頭下げて回ることじゃないんです。
“営業の本質”は、信頼と仕組み作りです。ここ、大事なところなんで、ちゃんと3つにまとめておきます。
【1】信頼関係は“入れる時”より“断る時”にできる
紹介元に対して「なんでも受けます」「早く入れます」だけでは、長続きしません。
条件が合わない時には、誠実に断る勇気も必要。
むしろ、無理に受けて失敗したら紹介元の信用を失います。
相談員の営業は、一期一会じゃない。
「この人に任せたら安心」と思ってもらえることが、最大の営業です。
【2】現場と連携しない“営業”は害悪でしかない
「ベッド空いてるから誰でもいいから入れろ」は、現場を疲弊させます。
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介護力に合ってない重症者
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認知症対応が必要なのに専門職ゼロ
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医療的ケアが必要なのに看護師不足
…そんな状態での“無理な満床”は、クレーム・退所・スタッフ離職の地獄コンボを生みます。
本来の営業は、現場と相談しながら「この施設でちゃんとケアできる人」をマッチングすること。
【3】“情報発信”が営業の生命線
良い営業って、**売り込みじゃなく「選ばれる仕組みづくり」**なんです。
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定期的に地域のケアマネやMSWに情報を届ける
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自施設の強みや得意分野を言語化する
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実績や事例を地道に共有する
「いつか相談したい」と思ってもらえるような**“信頼貯金”**を日々ためるのが、営業です。
■ まとめ:無能経営者に振り回されないために
「満床、満床」って言ってるだけの人に限って、現場が崩れても責任取らないんですよね。
相談員だけが疲弊して、辞めて、結果的に入所も止まる。本末転倒。
ちゃんと「営業の本質」を理解して、相談員が主導で仕組みを作れる現場こそが、結果的に満床にもなるし、安定した経営になるんです。
最後にひと言。
相談員って、
「現場を知るプロ」であり「営業の最前線」であり「クッション役」でもある。
マジで、それを知らない経営者が「満床」だけ言ってるのを見ると、
「一回、現場で一週間働いてから物言ってくれ」って言いたくなる。
──ま、晩酌しながら愚痴るのが一番ですけどね(笑)
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