こんにちは。
社会福祉士のわいじろーです。
この記事では、**2027年度に予定されている「介護保険制度改正」**について、現在の審議の動きや、今後どんな方向に進んでいくのかを調べてみて、わかりやすくまとめてみました。
「介護保険の改正って3年に1回あるけど、正直何が変わるのか分かりづらい…」という方にこそ読んでほしい内容です。
そもそも次の介護保険改正はいつ?
ズバリ、2027年4月からの施行予定です。
これは「第10期介護保険事業計画」のスタートに合わせた大改正で、3年に一度の定期改正の一つです。
そして、その改正の方向性を決めるための審議が、現在まさに進行中。
2025年冬(12月頃)までに「制度改正案(意見書)」が介護保険部会からとりまとめられる予定です。
その意見書をもとに、2026年度には法律改正や政省令改正、報酬改定に向けた準備が進み、2027年4月に正式施行というスケジュールです。
では、今どんなことが話し合われているのか?
ここからは、2024年〜2025年にかけての介護保険部会で議論されている主要な改正テーマを紹介します。
1.地域ごとのニーズに応じたサービス体制づくり
全国を3つの地域モデル(中山間地域・大都市・一般市)に分けて、それぞれに合った柔軟なサービス提供体制を検討中です。
- 中山間地域:人材が集まりにくいため、常勤配置や夜間体制の要件緩和が議題に
- 大都市部:24時間対応サービスやICT・AIの積極活用が焦点
- 一般市:両者のバランスをとりつつ柔軟に対応
※出典:介護保険部会資料(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-hosho_126734.html
2.介護人材の確保と処遇改善
- 介護職の賃金アップや処遇改善加算の仕組みの見直し
- 外国人材の定着支援や離職防止策
- ケアマネジャーの業務負担軽減と待遇改善も議題に
ICTの導入などで業務を効率化することも、人材確保策の一環として検討されています。
3.軽度者サービス(要支援1・2)のあり方見直し
- 要支援者への訪問・通所介護を、地域支援事業(総合事業)へ移行する案が再浮上しています。
- これは、「軽度者には市町村主導で柔軟に支援していこう」という方向性です。
しかし、移行の際には「質の担保」「事業所への影響」なども課題として挙げられており、慎重な議論が続いています。
4.ICTやロボットなど介護DXの推進
- ケアプラン作成支援AIや介護記録の音声入力、自動排泄センサーなどのICT機器導入支援
- マイナンバーカードと連携した被保険者情報の一元管理
- 高齢者施設での介護ロボット利用の推進と、それに伴う報酬加算の導入
これらは、「人手不足」をテクノロジーで補う未来像に向けた議論です。
5.相談支援体制・地域包括支援センターの役割強化
- 予防・生活支援・認知症ケアを包括的に支える体制が必要とされており、地域包括支援センターの機能強化が求められています。
- 同時に、医療との連携、地域ケア会議の活性化なども含めて、地域包括ケアの進化系が議論されています。
このままいくと、どういう制度になる?
現在の流れをまとめると、こんな方向に向かっていると言えます。
改正方向性 | 内容 |
---|---|
地域対応の柔軟化 | 人口減少地域・大都市で異なるサービス体制に |
人材確保策 | 処遇改善・ICT導入・外国人材定着支援 |
ケアマネ強化 | 業務軽減・研修見直し・待遇改善 |
軽度者の支援見直し | 地域支援事業への移行再検討 |
テクノロジー活用 | 介護DX、AI・ロボット・マイナカード連携 |
参考:厚労省公式資料リンク
- 介護保険部会の資料一覧
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-hosho_126734.html - 第10期介護保険事業計画に関する議論(PDF)
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001477760.pdf
最後に一言
こういった制度の話って、本当に分かりづらいんですよね。
現場で働く人も、「ニュースで聞いたけど、結局どうなるの?」ってなりがちです。
だからこそ、このブログでは福祉の制度を分かりやすく・かみ砕いて発信していきたいと思っています。
ぜひ今後もチェックしていただけたらうれしいです。
この記事が役に立った方は、ぜひシェア・ブックマークよろしくお願いします!
コメント